神様にも妖怪にも出会える「縁結びの旅」 ー 鳥取・島根の山陰中部エリアおすすめスポット&グルメ

中国 / 四国 観光 2021.12.14
日本の始まりと古い伝統を体験したいときは「山陰エリア」に行くのがおすすめだと言われています。特に「山陰中部」は、毎年神々が集い、人間の歴史の足跡があり、妖怪も暮らしていて、縁結びを求める人たちも多く訪れます。
神様・人間・妖怪の世界を巡る「山陰中部」の旅
「山陰中部」という地域は、鳥取県の米子、境港、大山エリア、島根県の安来、松江、出雲にあたります。山陰中部は、山陰エリアで最も人々が集まるエリアですが、美しい自然とともに「神・人・妖」といった日本のスピリチュアルな歴史も楽しめる旅のスポットでもあります。縁結びの神が宿り、日本中の神々が集う「出雲大社」、人間の歴史と文化が残した「米子城跡」や国宝の「松江城」や「足立美術館」、そして鬼太郎が暮らす妖怪の世界、「水木しげるロード」などがこの地域にあり、まるで仏教の如く、衆生が輪廻する6つの世界、「六界」を巡るような旅を体験できるのがポイントです。
  • 朝日が登ってるゴールデンタイムに、境港で霊峰大山と海の景色を見るととてもパワーフルな雰囲気を感じられます。
神々が集う、縁結びの地

出雲大社:神様と恋心が集まる

縁結びの神・福の神として名高い「出雲大社(いづもたいしゃ/いづもおおやしろ)」は、日本最古の歴史書といわれる『古事記』にその創建の由縁が記されているほどの古社で、旧暦の10月(今の毎年11月ぐらい)の「神在月」に、日本中の“八百万”(全て)の神様がここに集るということで、神々の国と呼ばれる出雲の象徴的な神社と知られ、全国から多くの参拝者が訪れます。特に「縁結び」のご利益がとても有名で、海外からも恋の成就を願う人々が聖地コースとして巡るスポットになっているとか。

八雲山を背に森厳な空気が漂う境内には、数年の歴史を持つ神殿が立ちはだかり、拝殿では神界と人界の堺を象徴するような「大しめ縄」が、恋心を迎えてくれます。大鳥居から本殿までの道のりは珍しい下り参道で、着物を羽織ってゆっくり散策するのもおすすめです。
出雲大社
地址:島根県出雲市大社町杵築東195
大眾交通:JR出雲市轉往出雲大社、日御崎公車,約25分鐘車程
社務所開放時間:8:30~17:00
官方網站

甘味喫茶 みちくさ:縁結びグルメの出雲ぜんざい

縁結びが有名な出雲大社の周辺には色々な縁結びグッズやグルメスポットがあります。代表的なのが「ぜんざい」と「割子そば」。
rn今回の旅では、まず大社の表参道にあるお店でぜんざいをいただきました。小豆の汁に仲良くふたつ入った白玉が「ご縁」を象徴するような出雲ぜんざいですが、今回はちょっと珍しい「抹茶ぜんざい」をチョイス。濃い抹茶と小豆の相性が良く、カリカリに焼いたお餅の白玉の中はとても柔らかかったです。
ぜんざいだけだとちょっと寂しかったので、恋心が詰まったハート型のカラフルなアイスモナカも頂きました。食べて崩れるのがもったいないくらい可愛いくて写真映えする一品でした。
甘味喫茶・お好み焼 みちくさ
住所:島根県出雲市大社町杵築南859−3
営業時間:10:00 ~ 18:00 
店舗情報(出雲大社正門前商店会)

献上そば羽根屋:江戸時代から続く本格出雲割子そば

出雲大社の周りでも名物の割子そばを味わえますが、もっと本格的なそばを体験したくて、少し足を延ばしてみました。
江戸の末に創業した「羽根屋」は、出雲そばの中でも「献上そば」という伝統を受け継ぐ本格的な手打ちそばのお店です。その由来は、大正天皇が出雲市に宿泊の際に献上し、「田園の香りをうつした風味」と好評を頂き、「献上そば」の名を許されたとのことです。
3段重ねのそばの上段につゆと薬味をかけ、そのつゆを次の段にかけて、まるでリレーのように順序良くいただくのが割子そばの美味しい食べ方だそうです。 
献上そば羽根屋 本店
住所:島根県出雲市今市町本町549
営業時間:11:00~19:30
(15:00~17:00休み、オーダーストップ19:00)
定休日:一月一日
公式サイト

日御碕:日が沈む聖地と神域

「日が沈む聖地出雲」として2017年4月に日本遺産に認定された日御碕は、とりわけ夕日を神聖視してきた出雲の人々にとって思い入りの強いスポットでありながら、島根半島西端の海に沈む美しいサンセットは多くの旅人たちを魅了しています。
そんな日御碕のランドマークである「日御碕灯台」は、1903年に設置され、高さ43.65m東洋一高い石造りの灯台で、ここの展望台から始まりたてのカップルが手をつないでそれを眺めれば、きっとその恋は末永く続くことでしょうね。
日御碕灯台に向かう入り口にある神社「日沉宮」は、伊勢大神宮の「日の本の昼を護る」に対し「日の本の夜を護る」ようにとの神勅により名づけられたそうです。夕日が沈んだ後は、神の時間が続くのですね。
出雲日御碕灯台
住所:出雲市大社町日御碕1478
営業時間:9:00~16:30
※土日祝は~17時、10月~2月は~16時30分
交通:JR出雲市駅 バスを乗り換え、約60分

日御碕神社
住所:出雲市大社町日御碕455
人の世の美しさ、歴史と芸術

松江城:縁結びの国のお城

松江城は全国に12城しか残っていない現存天守の1つです。現存天守は江戸時代またはそれ以前に建てられ、壊れることなく現代に姿を残す特別な存在で、その中でも松江城の天守は、彦根城、姫路城と並び、近世城郭最盛期を代表する天守として国宝に指定されているそうです。
この国宝の松江城にも、縁結びの国ならではのモチーフが偶然と隠さされていて、城の随所でハート模様が見つかることでも有名です。さあ、いくつ発見できるでしょうか?!
松江城の立派な石垣。中には戦国時代から残ってるハート形の石がかくれんぼしています。天守閣に向かいながら探してみましょう!ネットに色々と情報がありますが、自分で見つけた方が「ご利益」になるのかもしれませんね。
天守閣にもハートが潜んでいます。今回見つけたのは、ハート形の木目!天守閣の中は暗いので、事前情報を知らないと結構難しいと思うので、ちょっとだけ共有しますね。
天守に入って(地下一階)、階段を2階(天守1階)に上がります。左に進むと松平家初代藩主松平直正公の初陣像があり、その斜め向かいの包み板柱の裏側にありますよ。
どうしても見つからないという方々のために、松江城入り口にある「観光案内所」で分かりやすいパンフレットを配布していたり、天守に入ってすぐのチケットを渡す「入場受付」でも、このハートの柱の見取り図をもらうことができるそうなので、ご安心ください。
松江城
住所:島根県松江市殿町1-5
交通:JR松江駅からバスで10分 「国宝松江城・県庁前」下車
天守入場時間:
4月1日〜9月30日 8:30~18:30(受付終了18:00)
10月1日〜3月31日 8:30~17:00(受付終了16:30)
本丸開放時間:
4月1日〜9月30日 7:00~19:30
10月1日〜3月31日  8:30~17:00
公式サイト

由志園:池泉牡丹、夜紅葉...そして庭園イルミネーション!

約4万平米の敷地に広がる池泉廻遊式日本庭園、「由志園」。庭園の各所で出雲の風景を模したこの箱庭は、春の池泉牡丹と秋の夜紅葉が有名ですが、今回遭遇したのは息を飲むほどにガラッとイメージチェンジする「光の庭園」の姿でした。
元々が美しい庭園の夜景に広がる素晴らしいイルミネーションとプロジェクションマッピング、そしてライトアップの調和は、スタッフとデザイナーの豊富なアイディアと、それを実現するための数知れない試行錯誤の結集であることがリアルに伝わってきました。
そして、庭園内のカフェでは和風のイルミネーションを見ながらお茶を嗜んだり食事をすることもできます。全面ガラス窓の向こうに広がる、幻想的だけど本物の庭園の色化粧は、この体験だけでも訪れる価値は十分あると思いました。ちなみに、秋と冬イルミネーション時期、土日祝クリスマス(12月24日・25日)のみ松江駅から無料シャトルバスを運行していて、アクセスも良好です。
由志園
住所:島根県松江市八束町波入1260-2
アクセス:
JR松江駅から松江境港シャトルバス乗り換え約25分「由志園」下車
JR境港駅から松江境港シャトルバス乗り換え約16分「由志園」下車
営業時間 9:00~17:00※最終入園は閉園の30分前
(秋冬のイルミネーションイベントで営業時間延長、詳しい情報は公式サイトで)
公式サイト

庭園茶寮 みな美:美味しくて「映える」鯛めし

松江のグルメと言ったら、まず間違いないのが「鯛めし」。
この古風な町でグルメを楽しむなら、歴史ある老舗の店がおすすめです。中でも、「庭園茶寮 みな美」という松江の老舗旅館が営んでいるレストランは、きれいな庭園を眺めながら美味しい鯛めしを味わえ、おまけに庭園をプチ散策もできるのが魅力です。
鯛めしというと、鯛をのせて炊き込んだものを思い浮かべる方も多いと思いますが、こちらの鯛めしは、具をのせたご飯に出汁をかけてお茶漬けのように食べるスタイル。そぼろにした鯛の身を、ゆでた卵の白身のみじん切りや裏ごしした黄身と一緒にご飯の上にのせ、ワサビ、大根おろし、ねぎ、海苔を添え、だし汁をかけていただきます。あっさりしていて、体にすっと入っていく、カツオの本節ベースに松江の醤油を使用した秘伝の出汁が美味しさの秘密です。和菓子のようにお皿にきれいに盛り付けられて、可愛くて映えるのでSNSでも人気です。
庭園茶寮 みな美
住所:島根県松江市末次本町14
営業時間:
平日 11:30~15:00(L.O.14:00)、
土日祝 11:30~15:00(L.O.14:30)
営業時間[夜]17:30~21:00(L.O.20:00)
アクセス:
JR松江駅から松江市営バス宍道湖温泉ゆきなどで10分、大橋北詰下車すぐ
公式サイト

玉造温泉:神の湯、美人の湯、大きな大きな混浴露天も

風情ある松江の古き湯の街、「玉造温泉」。
奈良時代から神の湯として知られ、江戸時代には松江藩藩主の静養の地として「湯之助」と呼ばれる温泉を管理する役職も設けられていたというこの温泉は、玉造というユニークな名前で、この地にある花仙山で採掘できる良質の青瑪瑙を用いて町人たちが玉造を生業としていたことが由来だそうで、「三種の神器」の一つである「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」も、この地で造られたと言われています。
また、美人の湯でも知られる温泉街には、日本一の混浴露天風呂がある長楽園という古い旅館があります。
中にある「龍宮の湯」という大庭園露天風呂は、約100年に渡り多くの方々に愛され続け、日本一大きな混浴露天風呂として10年連続認定されたそうです。混浴ですが、入浴用の着衣を用意しているのでご安心くださいね。(宿泊者のみ)
湯之助の宿 長楽園(玉造温泉)
住所:島根県松江市玉湯町玉造323
アクセス:JR玉造温泉駅から長楽園シャトルバスで15分ぐらい
公式サイト

足立美術館:自然の山々と調和した日本一の庭園

由志園や庭園茶寮など日本庭園を続けて紹介しましたが、またまた庭園をご紹介します!??
なぜなら、日本庭園の良さを味わう上で、この「足立美術館」は必見だからです。海外でも有名な「枯山水庭」(The Dry Landscape Garden)」が見れるだけでなく、背後の山を借景とすることで、庭園を実際以上に広く、奥行きあるものに見せています。

2003年から米国の日本庭園専門誌で18年連続で庭園ランキング日本一に選ばれているこの美術館には、国内外から年間60万人以上が訪れています。
事業家として成功した足立全康氏が「郷土に恩返しがしたい」という思いから設立した足立美術館は、横山大観をはじめとする日本画を中心に展示していますが、まず日本庭園を通して四季の自然の美を感じてもらい、その感動をもってこれらの作品にふれることで、日本画の魅力を理解してもらおうと考えているそうです。
「庭園もまた一幅の絵画である」という信念のもと、館内には日々刻々と変化する庭園を絵画に見立てて鑑賞できるよう、「生の額絵」や「生の掛軸」などの楽しい仕掛けがあるのも特徴のひとつで、訪れるときの季節や天気によって様々な「名画」を楽しめる美術館ということですね。
足立美術館
住所:島根県安来市古川町320
開館時間:
4月-9月  9:00-17:30
10月-3月:9:00-17:00
アクセス:JR安来駅から、無料シャトルバスで20分
公式サイト

米子城跡:歴史を感じる石垣、海と町を望む360°パノラマビジョン

1591年に戦国武将である吉川広家が四重櫓を建設した後、1601年に駿河の国から伯耆の国城主として米子へ来た中村一忠が五重の天守閣を築き、名実共に山陰一の名城となった「米子城」。
現在は石垣をとどめるだけとなっていますが、その圧倒される佇まいや頂上からの絶景は、まさに「映える」雰囲気を醸し出しています。
約20分程、山道と石段を上り、標高90メートルの頂上にたどり着くと、北には米子の市街地と雄大な海、そして西を向けばコバルトブルーの中海、東には大山の全容を眺めることができる、さえぎるものなどない全方位パノラマの絶景に遭遇します。
米子城跡
住所:鳥取県米子市久米町
アクセス:
JR米子駅から枡形(ますがた)入り口まで徒歩15分
​米子循環バスで「湊山公園」で下車、徒歩5分
公式サイト

とっとり花廻廊:大山と花海、日本最大のフラワーパーク

日本旅行の大きな楽しみのひとつで欠かすことのできないのは、花見でしょう!
日本最大級のフラワーパーク「とっとり花回廊」は、鳥取県が誇る秀峰「大山」を望む景観の中で、季節ごとに色変わる花々を楽しむことができ、夏と冬にはイトアップとイルミネーションを行っています。
とっとり花回廊
住所:鳥取県西伯郡南部町鶴田110
アクセス:米子駅より、無料シャトルバスで25分
営業時間:
4月~11月 9:00~17:00(最終入園16:30)
12月~1月 13:00~21:00(最終入園20:30)
2月~3月 9:00~16:30(最終入園16:30)
定休日:
4月~11月無休 ※ただし7,8月の火曜日
12月~1月 火曜日
2月~3月 火曜日
公式サイト
妖怪の世界へようこそ!

水木しげるロード: 鬼太郎が住むストリートは、昼と夜で二度楽しい

JR境港駅前から水木しげる記念館までの道のりには「水木しげるロード」があり、彼の代表作「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する177体のリアリティあふれる妖怪ブロンズ像が迎えてくれます。この800メートルの異色な雰囲気の通りには、妖怪神社や河童の泉、目玉おやじ街灯や鬼太郎グッズを揃えた様々なショップなどが並び、カメラのシャッターが止まらないという不思議な体験をすることができます。
  • ©Mizuki Productions
妖怪神社は、本当の神社ではないですが、入り口の側の「目玉石」の手水舎で、目玉を回しながらお清めをし、特別なおみくじを引いてから妖怪の世界に入る準備をする場所なのでは...と思います。
  • ©Mizuki Productions
名物の「妖菓目玉おやじ」。
鬼太郎のお父さんである「目玉おやじ」そっくりのお饅頭で、ちょっと食べるのに勇気の要るビジュアルですが、実はこれ、山陰の有名な和菓子屋さんが真面目に作ったもので、ほんのり甘いのでお茶と一緒食べるとすごくおいしいです。お土産としてもおすすめですね。
http://www.kenkyujo.jp/index.html#medama
  • ©Mizuki Productions
妖怪の街に夜が訪れました。
原作では、「夜は墓場で運動会」をすると歌っていますが、雰囲気は昼の風景からがらりと変わって、薄暗くちょっと不気味な通りでは、まるで妖怪たちのパーティが始まったようにライトアップとプロジェクションマッピングで賑わいます。感想としては、昼より夜のほうが妖怪感がアップしてもっと面白いですね。
  • ©Mizuki Productions
水木しげるロード
住所:鳥取県境港市大正町、松ケ枝町、本町エリア
アクセス:JR境港駅前すぐ
公式サイト

大漁市場なかうら:鬼太郎も絶賛の松葉蟹グルメを味わおう

山陰旅行のマスト中のマストは、松葉ガニを味わうことでしょう!
大きな鬼太郎のモニュメントが目印の「大漁市場なかうら」は、日本海の海の幸ならなんでも揃うといわれる、大漁市場境港鮮魚仲買組合の仲買人が直売する山陰名物の松葉ガニをはじめ、鮮魚、干物などの海産物がずらりと並びます。
  • ©Mizuki Productions
市場にはレストランがあって、海鮮グルメを楽しめます。
「弓ヶ浜」というお食事処で、待望の松葉ガニグルメをいただきました。おすすめされたのは「カニトロ丼」です!新鮮なカニとろ、のり、わさび、生卵に醤油を混ぜ、蟹の甘さと濃厚な風味を味わえました。この他、蟹シュウマイなどのメニューは、お腹があまり空いてないけど松葉ガニを堪能したいときのgood choiceだと思います。
大漁市場なかうら
住所:鳥取県境港市竹内団地209
アクセス:
JR境港駅からバスで30分「美保町入口」下車、徒歩14分
営業時間 8:15~16:30
定休日 12月31日~1月4日
公式サイト

御食事処 弓ヶ浜
営業時間 午前11:00~午後15:30
定休日 12月31日~1月4日
あなたはどの世界がお気に入り?
神様の「パワー」、人間の「史と美」、妖怪の「愉快さ」
このすべてをたのし楽しめるのが、山陰中部の魅力ではないかと思いました。神の力を授かって、この地の人々の美学や美味を満喫しながら、想像の中に閉じこもっていた妖怪たちと夜遊びを楽しみ...自由自在に六界を遊覧する気分を味わえる山陰中部の旅。あなたはどの世界を旅してみたいですか?
  • ©Mizuki Productions
* 営業時間・定休日等については記載と異なる場合がございます。ご訪問時は事前ににご確認ください。
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